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【イベントリポート】

概要

名称:『神園さやか 歌謡ショー』 in 湯屋わっしょい
日付:2012年03月20日(火)
時間:14:00〜、19:00〜
場所:湯屋わっしょい(東京都北区中十条)


「風邪によく効く特効薬。
それはあなたのあたたかい微笑みと、透明感たっぷりの歌声。」

2012/03/24
by K'z (N)

時は、2012年3月初旬。 相変わらず、イベントへの参戦頻度が低迷しています。 まあ、最近はイベント数自体が少ない状態ですから、どうしようもありませんがね。 こんな晴れない気分を少しでも軽減させるべく、どこかで適当な敵情視察の場はないものかと、あちこちのCDショップやショッピングモール、健康ランドをチェックしてみました。 今までにさやかちゃんが足跡を残したお店を中心に調べること十数軒目、東京は赤羽にあるお風呂屋さん「湯屋わっしょい」さんに行き当たりました。 こちらは「薬湯 河童天国」さんを前身としたお店さんで、JR系列だった初代「河童天国」さん、経営母体が代わった2代目「河童天国」さんの時代に、 それぞれさやかちゃんが歌謡ショーを催しています。 そんな「湯屋わっしょい」さんの3月のイベント情報を何気なく見たところ、「3月20日(祝) 神園さやか歌謡ショー 14時〜、19時〜」の文字を見つけました。 なんと、さやかちゃんの公式サイトやブログ上にも告知されていないスケジュールをゲットです。 気分は、まさに狂喜乱舞ですよ。 言うまでもなく、敵情視察計画は急遽中止となり、3月20日を指折り数えることとなったのでした。

でもって、当日。 前日、なんとなく関節と腰が痛いな…と思っていたのですが、起き抜けに体温を測ってみたら、まさかの38.3度。 あえなく不参戦かと思いきや、自覚症状の無さと参戦への気力はMAXです。 ええ、かぜ薬の服用間隔を狭め、迷わず愛車に乗り込み、赤羽を目指します。 (←悪い例です。絶対に真似はしないでください。薬は用法・用量を守り、服用後は自動車等の運転は控えましょう。)

現着したのは、9:00を少しまわった頃でした。 開館の10:00と同時に、入館手続きをし、大きなお風呂で贅沢に朝風呂と洒落込みます。 少しぬるめの炭酸泉で身体を慣らしていると、入って来たのは見慣れた顔。 「おはようございま〜す。」 「早いですねぇ〜。」 苦笑しながら交わす挨拶にも、さやかファンの絆を感じます。

たとえ告知が限られていても、どこかしらから情報を嗅ぎ付けて、現場には絶対に仲間がいる。 それが、さやかファンの暗黙の了解になっています。 お風呂から上がったら大広間で昼食を摂りつつ、さやかちゃんの登場を待ちましょう。 そうしている間にも、続々とファン仲間の姿が増えてきましたよ。

そして、いよいよ開演。 人力で(!!)幕が上がると、満面の笑顔でさやかちゃんが登場です。 1曲目はアルバム収録のカバー曲、続いてデビュー曲の『初めてのひと』という構成はオーソドックスな健康ランド仕様です。 MCでの「お風呂に入って…、おいしいお料理も召し上がって…。」のセリフも、風呂ライブならではのゆったりまったり感です。 さらに、客席練り歩きも魅力的な演出。 『美空ひばりメドレー』を歌いながら、座敷にいる観客のごく直近をさやかちゃんが握手をしてまわるのは、握手会とはまた違った感覚です。 ワタシなどは、何度体験しても何故かドキドキしちゃいます。

今日の即売については、こんな嬉しいお知らせもありました。 「春分の日・春スペシャル」と銘打って、商品を購入したひとには、今日限定の「神園さやかトレカ(サイズ生写真)」がついてくるそうです。 しかも、昼の部と夜の部では絵柄が異なるという心憎さです。 そう言えば、ここのところ、生写真が特典に付くなんて見受けられませんでしたね。 これは、ぜひゲットせねばなりません。

そして、まもなく終演という時。 「これからも神園さやかをよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました!」 とさやかちゃんの〆のご挨拶が終わった瞬間、客席からアンコールを求める声があがりました。 不思議なもので、さやかファンの間では、健康ランドでの歌謡ショーや「駅前ライブ」等では、アンコールを望まないのが定石になっているのです。 理由は定かではありませんが、こういった場所でのイベントは「不特定多数のひとが混在する場の一部をお借りしている」という認識が根付いているからなのだと思います。 自分たちが心地よいからといって歌唱曲数を増加させれば、それは歌を聞く意志のないひとに苦痛を強いることになることは必至です。 ところが、一般のお客さんから率先してアンコールの声があがるのであれば、ワタシたちも文句なく同調します。 今日は、昼に『テネシーワルツ』を、夜には『まつり』を熱唱してくれました。

あっという間に、楽しい一日が過ぎました。 丸一日ファン仲間たちと顔を突き合わせていると、いつもは出ないようなマジネタを膝を詰めて話したりできるのも興味深いところです。 また、すっかり身体のだるさもなくなり、明日への活力もフルチャージできたのも、さやかちゃんに会えたからに違いありません。

終演後、いそいそと帰路に就く電車利用のファン仲間たちを尻目に、季節はずれのかき氷などをつついていると、見知らぬ男性が話しかけてきました。 よくあるタイプの演歌愛好家だろうとハナシ半分に(いや、半分以下だったかも)聞いていましたが、少々気になる発言が飛び出したのでした。 その男性の言葉によると、「さやかは歌が下手になった」と。 一時間半近くも滔々と話す中に、「永井裕子さんの声質が好きだ」とか「(プロ歌手ならぬ風呂歌手の)彩乃さんの歌唱が素晴らしい」とか。 「なんだ、結局は演歌路線偏重主義なんじゃないか…」と思った次第です。 が、しかし…です。

何を基に、上手or下手を決定するか。 それは百人百様なのでしょうが、実はワタシ自身も、さやかちゃんの歌唱に対して、数年前に件の男性と同様の印象を受けたことがありましたし、現在も気になる時があります。 とは言え、彼女もデビュー9年目。 思春期の男の子に限らず、女性も年齢を重ねるとともに声が変化する訳ですから、一概に下手になったと断定することはできませんがね。

さて、経緯はどうあれ、ワタシと同じ意見が第三者からも発せられた訳です。 ちょっと冷静に、以前より歌唱力が劣ったように聞こえてしまうのはどんな点か、挙げてみましょう。 ワタシが感じた一例としては、『初めてのひと』で「♪ついていきたいの」の「の〜」や「♪初めてのひとです」の「ひとです〜」の歌いまわしが、 当時より薄くなった気がするんですよね。

楽譜も読めない音感ゼロのワタシが四の五の言うのも何ですが、なんだか以前よりビブラートを抑えて単調に歌っているようにも感じます。 音楽関連のボキャブラリーの乏しいワタシなので、もし「何を言っているの、かピンと来ない…」と言うのであれば、 小泉今日子さんの『私の16才』と、その原曲の森まどかさんの『ねぇ、ねぇ、ねぇ』を聞き比べていただければ、 ワタシが言わんとするニュアンスが伝わるのではないかと思います。 この2曲にたとえるのはちょっと両極端ですが、森まどかさんの歌唱は以前のさやかちゃん、キョンキョンの歌唱は現在のさやかちゃん、とでもいいましょうか。

さやかちゃんが"歌謡曲"路線に移行して"アイドルソング"を取り上げる機会が増えた時期と、ワタシが「おやっ?」と思った時期が合致するのは、単なる偶然だったのでしょうか。 これを突き詰めると、ビブラートやコブシを効かせて演歌調になってしまうのを敬遠したのではないか?が論点になってしまうかも知れません。 しかし、実際には最近でも『瀬戸の花嫁』や『秋桜』などで幅と深みのある歌声を披露してくれていますから、ビブラートを忌避しているとは考えにくいのです。

また、こんな仮説も成り立ったりします。 一見、同類に見える"歌謡曲"と"ポップス"ですが、どちらかと言うと"ポップス"のほうが平易に歌えるのではないか。 "歌謡曲"のほうが、世界観の描写に繊細さが要求されるのではないか、と。 それが日頃、"ポップス"を歌う機会が多くなるにつれて、"歌謡曲"にまで"ポップス"寄りの歌い方が定着してしまったとも考えられます。 「手を抜いている」と言うと言葉が悪いですが、適材適所さが希薄になったと表現しましょうか。 その結果、"歌謡曲"が少々物足りない仕上がりに感じるのかも知れません。

また、誤解してほしくないのですが、"ポップス"歌手は歌唱力が劣ると蔑視しているのではありません。 中には歌唱力が残念なかたもいるようですが、個人的には"ポップス"も"アイドルソング"も大歓迎です。 とは言っても、さやかちゃんについては別格です。 彼女は深くしなやかに歌い上げ、歌声だけで詞の世界を表現できたのです。 そして、今だって、これからだって、できるはずです。 だからこそ、「せっかく持ち合わせている実力を活かさずに済ませてしまうのはもったいない。」と言いたいのです。 さやかちゃんには、星の数ほどいるアイドルたち、いや、他のすべてのアーティストと同じグレードにとどまって欲しくありません。 かと言って、大人になるほど色褪せがちな、不変のアイドル性は失わずに…。 はい、アイドルは「IDOL(人気者、尊敬されるひと)」のほうであって「IDLE(惰性、空回り)」ではないですよ。

そうそう、例の男性が最後に言った「あのコ(の実力)はあんなもんじゃないハズだ」という言葉、それについてはワタシも至極同感です。 まあ、その根拠はおそらく氏と相反するものだとは思いますが…。 結果として。 ファンではないお客さんの評価は、駆け引きなしに本質を突いてきます。 さやかファンはいったん立ち止まって、ワタシたち常連ファンが何かと理由をつけて正当化や美化をしても、それこそ「空回り」に過ぎないことを認識する必要がありそうです。 振り返れば、あるファン仲間がポロッと言っていた「さやかちゃん本人から伝わるものがないライブがある」の言葉こそが紛れもない現実であり、 そこにとてつもなく重い意味と彼女への深過ぎる愛が込められていたことに気付かされます。

ワタシですか? ワタシは、これからもブレずにさやかちゃんを応援しますよ。 たびたびイベントリポートにも書いているように、同業他者さんに鞍替えしても、さやかちゃん以上の満足感を期待できる可能性はありません。 それに、良い時のみならず、どんな環境の下であっても、微力ながら彼女を支えられたらいいな、というのがワタシの気持ちですから。


曲目

【14:00〜の部】
  1. 硝子坂
  2. 初めてのひと
  3. おかあさん
  4. 美空ひばりメドレー(東京キッド〜越後獅子の唄〜あの丘越えて)
  5. 瀬戸の花嫁
  6. 約束
  7. 涙そうそう
  8. なごり雪
  9. 道 -ふるさとから遠く離れて-
  10. テネシーワルツ(アンコール)
【19:00〜の部】
  1. 木綿のハンカチーフ
  2. 初めてのひと
  3. 港町十三番地
  4. 東京キッド〜東京アンナ
  5. 岬めぐり
  6. ひこうき雲
  7. また君に恋してる
  8. 時の流れに身をまかせ
  9. 道 -ふるさとから遠く離れて-
  10. まつり(アンコール)

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