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【イベントリポート】

概要

名称:『神園さやか駅前ライブ in 広島』
日付:2010年11月14日(土)
時間:16:00〜
場所:エールエールA館 地下2F(広島県広島市南区)


「ある時は女優、またある時は歌手。神園さやか七変化。絵になるネ、きわめつけ。」

2011/01/28
by K'z (N)

始発電車で地元を発ち、約半年ぶりの広島遠征です。 さやかちゃんの初舞台となる大衆演劇『母千里』、見てきました(詳細は当該リポートをご参照ください)。 いまだ結末を迎えていない横田めぐみさん拉致事件の現状は、終演後も逃げ場のない胸の痛みをワタシに残しています。 私事ですが、劇中でのさやかちゃんの役名と同じ「はるか」という中学生の娘がワタシの知り合いにいます。 この娘が連れ去られるようなことがあれば、北朝鮮であろうが北米であろうが、または北海道でも北浦和でも、乗り込んで行くことを辞さないかも。 つい、そんなことを考えてしまいます。

さて本日、『母千里』の昼の部と夜の部の合い間に「駅前ライブ」が催されます。 劇場から広島駅までは徒歩で5分ほど。 時間は切迫していますが、開演にはじゅうぶん間に合います。 散歩がてら、のんびりと現場に向かいましょう。 会場となるのは、毎度お馴染みの複合商業施設「エールエール」の地下2階。 すでにたくさんのひとが開演を今か今かと待っていますよ。 その集客力は、錦糸町駅前や埼玉県でのイベントの比ではありません。 さすが広島です。 古い言い方をすれば「故郷に錦を飾る」とでも言うのでしょうね。 この地から羽ばたいたさやかちゃんがふるさと=広島でプロ歌手としての姿を見せるのですから、楽しみにしているひとが多いのもうなずけます。 何と言っても、ごく普通のオトーサンやオカーサンが"さやかTシャツ"を着て応援しているのが印象的です。

そんな期待感高まる空気の中、『硝子坂』で登場したさやかちゃんは、地元の温かさを全身で受け止めました。 いつもに増してハイテンションなご挨拶に続くのは、ついさっき終演した『母千里』の話題です。 「歌手だけではなく女優にも挑戦しています。『母千里』は拉致問題を取り上げたお芝居で、横田めぐみさんの役を神園さやかが演じています。」 今までにも、テレビ『水戸黄門』やマイクロソフト社のショートムービー『∵』に出演した経歴を持つさやかちゃんですが、「ナマ」のお芝居は初体験です。 「撮り直しができないので、とても緊張した。」とは彼女の言葉です。 いつもは移動中のわずかな時間でもすぐに寝られるのに、昨夜はリハーサルを終えた後もまったく寝られなかったのだとか。

歌唱は、その「初めて」つながりで『初恋』へ。 このところ披露されることの多い楽曲です。 「横田めぐみさんがもし連れ去られなかったら、普通に初恋を経験して、普通に生きてきたんだろうな…。」 まだ『母千里』の余韻が残っているワタシです。

「続いてお届けするのは、映画の題材にもなった曲です。」 通常とは反対に、楽曲を基にして制作された映画『ハナミズキ』。 一青窈さんの同名作品を歌います。 楽曲自体は5月の「ひろしまフラワーフェスティバル」でも披露されました。 とても素晴らしい世界観の楽曲だと思いますが、最近メディアに映画とともにしょっちゅう取り上げられていて、いささか耳タコ状態です。 あんまりヘビロテが過ぎるとチューインガムのごとく、味わいが薄れてしまう気がします。

ライブのトリを取るのは、もちろん『道-ふるさとから遠く離れて-』です。 ちょっとイレギュラーな「『母千里』の挿入歌にもなっています。」のMCに、演劇への自信を感じます。

即売会ではCDだけではなく、Tシャツや折り畳み傘などのオリジナルグッズも並びました。 そういえば、ずっとライブを観覧していた外人さんが、"さやかTシャツ"を購入していましたよ。 異国の街を"さやT"を着て闊歩するなんて「おっしゃれ〜」、ワタシもぜひ真似してみたいです。

さやかちゃんが見せる、役者と歌手のふたつの顔。 大衆演劇の初出演というプレッシャーにも負けずに、実に聞き応えのある「駅前ライブ」でした。 ところが、コトもなげにそれらをこなすことからか、 一部では「演劇に長けていない歌手が中途半端な姿勢で舞台に立つのは、本職の役者さんに失礼ではないか?」と、 『母千里』への出演を越権行為的な捉え方をする向きもあるようです。 しかし、さやかちゃんが抜擢されたのは、上演地の広島で強固な支持があり、 かつ、容姿・演技力ともに役柄にふさわしい人材が求められた結果なのだと思います。 それに、一日のうちに演劇〜駅前ライブ〜演劇をこなし、そのいずれにおいてもクオリティダウンを見せない…なんてことのできるアーティストが、 果たして、並みいる同郷・同性・同年代のアーティストに存在するでしょうか?

その答えは、自らの舞台にさやかちゃんを登壇させることにゴーサインを出した劇団の座長さんと、 「駅前ライブ」のためにいつもいつもスペースを提供してくれる会場の関係者諸氏がいることを考えれば、おのずと見えるはずです。 そして何よりも、演劇の幕間を束の間のリラックスタイムとすることもなく、ワタシたちを楽しませてくれたさやかちゃんに感謝しなければイカンですな。

今夜19時からは、『母千里』の夜の部が上演されます。 それまでの空き時間に、ホテルにチェックインしちゃいましょう。 朝から持ち歩いている荷物から、しばし解放されたいものですから…。 それじゃ、さやかファンのみんな、清水劇場で再会しようね♪


曲目

  1. 硝子坂
  2. 初恋
  3. 異邦人
  4. 野に咲く花のように
  5. ハナミズキ
  6. 道 -ふるさとから遠く離れて-

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