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【イベントリポート】

概要

名称:『神園さやか ハイビスカスライブ』
日付:2010年06月12日(土)
時間:19:30〜、20:30〜
場所:沖縄料理ハイビスカス(東京都北区王子)


「白馬に乗った王子様ではないけれど…、輝くあなたを見守ります。」

2010/08/24
by K'z (N)

「駅前ライブ in 王子」が終わって、屋外の暑さもワタシの気持ちも一段落しました。 とはいっても、今日はこのまま家路に就くのではなく、夜まで王子の街に残留します。 「駅前ライブ」時にもさやかちゃんが話していた「神園さやか ハイビスカスライブ」に参戦すべく、 現場となる沖縄料理のお店「ハイビスカス」さんの開店待ちという訳なのです。 ハイビスカスさんに程近いカレーショップで、軽い食事(といいながら、調子に乗ってライス600gをオーダーしちゃいました) 兼時間調整をしています。

さて、時計の針は18:00を回り、ハイビスカスさんの扉を開くと、ライブ開演にはまだ時間があるというのに、 すでに見慣れた顔ぶれが生ビールのジョッキを傾けています。 ワタシも、ビールとちゃんぷるで沖縄気分を堪能するとしましょう。(←まだ食べるのか?) 今夜のライブは、毎度お馴染みの2部構成。 2ステージとも同じパターンでお茶を濁す、なんてことがありえないのがさやかちゃんのライブです。 今夜はいったいどんな展開になるのか、押さえようのない高揚感がほろ酔いの身体を襲ってきます。

さあ19:30、いよいよ開演です。 スタートは『木綿のハンカチーフ』という堅実路線で来ましたよ。 もちろんワタシたちは、いつもの手拍子にも抜かりはありません。 1曲歌い終えてご挨拶の流れも、いつものこと。 「みなさん、こんばんは〜!神園さやかです。」に続いて出たことばは「少なっ!」。 そうなんです。 いままでの「ハイビスカスライブ」では、あの宴次郎さんをはじめとする宴バンドの生演奏での歌唱でしたから、 さやかちゃんひとりのステージ上は違和感アリアリです。 楽器や機材もなく、バンドのメンバーとさやかちゃんがひしめき合うこともない、ちょっとがらんとしたステージですが、 高純度の彼女を楽しむには絶好の機会といえますね。

『青春は輝いて』『タッチ』『初恋』とオリジナル曲とカバー曲を交互に繰り広げられれば、 時代やジャンルを問わずに歌いこなせる歌唱力と守備範囲の広さを改めて実感せざるを得ません。 そんな中で「『めまい』は過去に1度歌っただけの楽曲だ」と彼女自身も話していましたね。 デビューから丸7年が経ち、数百曲のカバー曲を唄ってきましたが、 それぞれの曲ごとのエピソードが明瞭なのには恐れ入ってしまいます。

さらには、こんな楽曲も…。 浅田美代子さんの『しあわせの一番星』、約5年ぶりの披露です。 以前歌った『赤い風船』では、「誰が歌ってもうまく歌える」などと意味深長なコメントが飛び出しましたっけ。 各方面で特徴ある歌唱が語り継がれている浅田美代子さんですが、『しあわせの一番星』についていえば、 それほど際立った個性的な歌唱は感じないように思えます。 そんな楽曲を、さやかちゃんはさらっと歌いこなしました。 ワタシの脳裏には、屋根の上で歌う浅田美代子さんの姿ではなく、 「想いを寄せるひとを胸に描きながら、夕暮れの道を歩く少女」が浮かびます。 学校帰りに公園のベンチで陽が沈むまでおしゃべりを続ける、初々しいふたりの姿がイメージに合うんですよ。

新曲『道 -ふるさとから遠く離れて-』のカップリング曲『悲しみのほとりで』を経て、『DIAMONDS』で第1幕のラストを締めくくります。

「予想に違わず、通り一辺倒では終わらなかった。」と、終演後もファン仲間との談義にあれこれ話題が尽きません。 余韻に浸っている間もなく、すぐに第2幕の始まりです。

まず、1曲目は『わたしの青い鳥』。 いきなり想定外の選曲です。 「これまでにもいろんなかたの曲をカバーしてきましたけど、なぜか桜田淳子さんの曲って歌ってなかったんです。」のMCどおり、 確かにそうでしたね。 「花の中三トリオ」と呼ばれて一世を風靡した桜田淳子さんでしたが、 近年では負の情報ばかりが蔓延し、楽曲をカバーすることさえも、ある意味ではタブー視されていた感があります。 同じく、さやかちゃんがカバーした『フラワーフェスティバル』を歌った佐良直美さんについても、同様の風潮がありました。 歌い手さんのパーソナルな部分をネタに、楽曲そのものまで葬り去ってしまうなんて悲しいことです。 芸術は、後世に受け継いでこそ極められるものですから。 それにしても、そういった諸々の要素をものともせず、ライブのラインナップに加えるとは、神園さやか天晴れです。

『ひこうき雲』『HOW!ワンダフル』でさわやかな歌声で観客の心を癒したら、MCでもその話題へ。 さやかちゃんはずっと自分の声を「ハスキーボイスなんだ」と思っていたそうで、ある時「癖がないのが個性」と評されて、驚いたそうです。 いやいや、彼女のクリアな歌声がとても好きだというファンは多いんじゃないですかね。 ええ、ワタシだってそのひとりですから…。 並みいる歌い手さんがどんなに情感たっぷりに歌おうとも、足元にもおよばないと思いますよ〜。 そして、またまた『歌の楽園』の話題も。 よほどのイチオシの番組と見えて、ことあるごとに告知をしていますね。 カバー曲を主体に、3年間続けてきた「駅前ライブ」。 一部スジからは邪道視されながらも継続してきたことが、いま実を結んだといえるでしょう。 収録現場に集結する共演者とは、同じ視点を持ったアーティストどうしだからこその以心伝心。 テレビ出演を何度も経験しているプロでありながら「『ぜひ、見るように!』と親戚にも電話した。」というのですから、 このあたりからも、信じてきたことが評価され受け入れられたさやかちゃんの喜びと誇りが伝わります。

ただひとりステージに立つさやかちゃん、今日の彼女はとても大きく見えました。 とても、身長153cmには見えません(?)。 選曲はいうにおよばず、MCさえも自信と威厳に満ちていました。 不安や動揺を隠しきれずに照れ隠しのため息をもらしたり、クマゴロウ氏が助け船を出すべくステージに上がったりしたのも、 もう過去のコトになりつつあります。

月並みではありますが、「はばたけ、さやか。無限なる未来へ!」。 そんな言葉を贈りたいヨッパライなのでした。


曲目

【19:30〜の部】
  1. 木綿のハンカチーフ
  2. 青春は輝いて
  3. タッチ
  4. 初恋
  5. めまい
  6. しあわせの一番星
  7. 悲しみのほとりで
  8. 島人ぬ宝
  9. DIAMONDS(ダイアモンド)
【20:30〜の部】
  1. わたしの青い鳥
  2. ひこうき雲
  3. HOW! ワンダフル
  4. ワダツミの木
  5. カントリー・ロード(日本語)
  6. 道 -ふるさとから遠く離れて-
  7. 花ぐるま☆21
  8. あゝ無情
  9. なんてったってアイドル(アンコール)

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