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【イベントリポート】

概要

名称:『神園さやか駅前ライブ in 王子』 全国ツアー第4弾!
日付:2010年06月12日(土)
時間:14:00〜、16:00〜
場所:サンスクエア(東京都北区王子)


「白馬に乗った王子様ではないけれど…、王子駅前に参上します。」

2010/08/24
by K'z (N)

先月から始まった「駅前ライブ全国ツアー」。 これまでは「駅前ライブ」発祥の地、錦糸町のみでの開催でしたが、今日は東京のJR王子駅前に初上陸します。 さやかちゃんはこれまでに沖縄料理店ハイビスカスさんでのライブや「貸切り鉄道ライブ in 都電」、 さらにさかのぼれば都電を起用した『初めてのひと』のPVなど、思いのほかこの地域に縁があるようです。 いずれにしても「初舞台」とあれば、その場に立ち会いたいのがファン心理ですから、 思案の余地なく電車に乗り王子をめざしました。

開演の2時間前に王子駅に降り立ったら、まず会場を確認しましょう。 道に迷ってライブに遅刻なんていうのは、御法度ですからね。 「駅前ライブ in 王子」が催されるのは、駅前にある「サンスクエア」さん。 ボウリング場をはじめとする各種レジャー施設やショッピング・レストランフロアが併設された複合商業施設です。 ステージが設営されるのは屋外なので、今日の暑さに負けないように対策を講じる必要がありそうです。 ミネラルウォーターを購入して、開演を待ちましょうか。

定刻の14:00、いよいよ「駅前ライブ in 王子の」第1幕目がスタートします。 まずは、照りつける日差しを象徴するように『裸足の季節』です。 幅広い層に知られた松田聖子さんの楽曲に誘われて、多くのひとが足を止め始めました。 初めてライブを催す地ですから、ご挨拶も念入りにします。 「私は7月28日が誕生日なんですけど、なんと王子駅も1883年の7月28日に開業したんだそうです。」 と意表をつきながらも、「駅前ライブ」らしい話題はインパクトたっぷりでした。 これで、さやかちゃんの印象づけは成功間違いなしです。

『芽ばえ』『岬めぐり』などスタンダードな各曲に自身のアピールを絡めて、ライブは進みます。 もちろん、筆頭にあげられたのは4月から度々出演しているテレビ番組『歌の楽園』ネタですが、 またまた今月末の放送分に出演するそうでこちらも楽しみです。 なんと言っても、ソロパート以外でも実にイキイキとコーラスや振り付けに興じているさやかちゃんは一見の価値アリですぞ。

そんなMCのさなか、お客さんの中から『初めてのひと』をリクエストする声があがりました。 先述の都電効果のせいかどうかは定かではありませんが、7年前の彼女のデビュー曲を覚えているひとがいたことに少々驚きでしたね。 さっそくオケのレパートリーを確認したところ、今日は『初めてのひと』は用意されておらず、お披露目とはなりませんでした。残念…。

第1幕のトリを取るのは、8月4日にリリースされる待望の新曲『道 -ふるさとから遠く離れて-』です。 発売日までまだ2カ月ありますが、今日は予約も受け付けるそうです。 この曲は「夢を追いかけてふるさとを離れた娘の、母に対する気持ち」を歌った、 ずっとさやかちゃん自身も歌いたかったという内容の作品です。 これは、絶対に予約しないとイケマセン。 コンクリートに囲まれた都会の雑踏に母への思いが響きます。 そしてその歌声に頭上を通り過ぎる新幹線の轟音が交差して、「さやかちゃんも、広島から新幹線で上京したのかな…。」 なんて、思ってふと切なくなっちゃいました。 はい、「飛行機かもしれないだろ〜」というツッコミはしないで下され。

サンスクエアさんの店内で涼をとり、第2幕のスタートを待ちます。 1時間弱の間に1リッター以上の水分を摂取しましたが、これは夏の屋外イベント時には不可欠なことです。 開演の16:00は幾分日差しが和らいだとはいえ、暑いことに変わりはありません。 地面からの輻射熱が強烈で、会場のスタッフ氏がジョウロで打ち水をしてまわっているほどです。

この第2幕は、定番『素敵なラブリーボーイ』で幕が開きました。 元気いっぱいのさやかちゃんを見ていると、暑さなど忘れていまいそうです。 ご挨拶に加えて、ここでも『歌の楽園』の告知を忘れてはいません。 オリジナル曲のみにとどまらず、幅広いジャンルのカバー曲を取り入れた「駅前ライブ」を3年間続けていることが、 現在の『歌の楽園』出演につながっているのだとか。 番組内では、はいだしょうこさんや田中れいなさんといった若い世代の歌い手さんと共演することも多く、 収録現場がとても楽しいらしいです。 確かにそうだよね。 その潤った充実感がブラウン管(古っ)を通して、ワタシにも手に取るように伝わってきますよ。

歌唱は夏の夕涼みを思わせるかのように『野に咲く花のように』『ひこうき雲』で、観客の過熱した身体と心をやさしく冷ましてくれます。 続くは、三木聖子さん(または石川ひとみさん)の『まちぶせ』。 今の情景と同じ、夕暮れの街角を描いていると…。 あれっ?突然歌声が途切れてしまいました。 マイクを振っても無反応で、あえなくライブは中断です。 原因はマイクの電池切れという凡ミスだったようで大ごとにはならなかったものの、 だからこそ、このような時にはお客さんからブーイングも起こりかねません。 さやかちゃんのとっさのMCで、 「初めての王子でのライブでこんなことが起きて、みなさんには『電池の切れちゃった娘だ。』って覚えてもらえますね。」 なんてフォローされてしまえば、不穏な空気など漂う隙はありません。 それにしてもさやかちゃん、緊急事態の切り返し方がウマくなったよなあ…。 改めて、好感度2割増です。 さて、仕切り直して歌うのは「せっかくですから、違う曲がいいですよね。」と『涙くんさよなら』です。 こんなちょっとした対応から、ライブ全編がさやかちゃんの采配で進行しているのがわかります。

レコード会社や所属事務所の意向を最優先させている「店頭キャンペーン」ではこのようなフレキシブルな進行は不可能でしょうし、 歌い手さん本人のステージへの意気込みが伺えることも期待できないでしょう。 しかし、歌声に足を止めてくれるお客さん、特にステージに立つ歌い手さん本人に対する認知度が低いお客さんにとっては、 逆にそんなところが親近感を抱かせるポイントだといえます。 あまりビジネス感や台本感が濃厚になってしまうと、お客さんから「なんだ、結局CDを売りたいのかよ。」 などという中傷めいた野次が飛んだりする訳で…。 まあ、CDを売りたいのは、歌手としてごく当たり前のことなんですがね。

こんな感じで「駅前ライブ in 王子」は終わりました。 突発のアクシデントを含めてすべてが、さやかちゃんにとって追い風に作用したライブだった気がします。 また再び、ここサンスクエアさんでステージに立つことが期待されます。 彼女の活躍の地が1カ所でも増えることを願いながら、ワタシは現場を後にします。 そして、今夜のハイビスカスさんで催されるライブに備えて、遅めの昼食兼早めの夕食としましょうか。


曲目

【14:00〜の部】
  1. 裸足の季節
  2. 芽ばえ
  3. 初恋
  4. 岬めぐり
  5. 迷い道
  6. 悲しみのほとりで
【16:00〜の部】
  1. 素敵なラブリーボーイ
  2. 野に咲く花のように
  3. ひこうき雲
  4. まちぶせ
  5. 涙くんさよなら
  6. 飛んでイスタンブール
  7. 道 -ふるさとから遠く離れて-

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