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名称:『神園さやかの箱(ボックス)ライブ Ver2.0』
日付:2010年04月10日(土)
時間:(第5の箱)16:00〜、(第6の箱)18:00〜
場所:ヨーロー堂 イベントホール(東京都台東区浅草)
2010/05/29
by K'z (N)
"びっくり箱"なのか"玉手箱"なのか、それとも"お弁当箱"なのか? フタを開けるまで中身がわからない「神園さやかの箱ライブ」が、今月も催行の運びとなりました。 回を重ねるごとにメキメキと持ち前の実力を昇華させるさやかちゃんに会いに、 今日もお馴染みの浅草はヨーロー堂さんへと出かけます。
今日の箱ライブは、16時からの部と18時からの部の2部構成。 いつもより遅いタイムテーブルです。 ところが、ワタシは開演を待ちきれず、いや、交通障害を考えて、2時間前に現着しちゃいました。 ヨーロー堂さんの店頭の告知を見ると、「箱ライブ」の前に別の歌い手さんのキャンペーンが組まれているようです。 なるほど、このために開演が遅くなっていたのね…。 早着していたファン仲間によると、ヨーロー堂さんの大旦那からこの歌い手さんのキャンペーンの観覧を勧められたものの、 丁重にお断りしたのだそうです。 ブレることのない一途なファン魂、見事です。
さて、今回の「箱ライブ」は随所にマイナーチェンジが見られました。 まずは、歌う楽曲のジャンルを決定するサイコロ。 従来よりひと回り大きく、転がりやすいものに変わっています。 また、ジャンルも6ジャンルから5ジャンルに整理され、新たに「SPECIAL」枠が設定されました。 サイコロの目が「SPECIAL」を出すと、何やら特別な企画が繰り広げられるらしいですが、今日はその詳細が告げられないまま、 ジャンル決定の儀に移ります。
一幕めのお題は「歌謡曲」。 さやかちゃんにとっては、本職といえる分野ですな。 さあ、最初の曲は…? あべ静江さんの『みずいろの手紙』です。 しかも、イントロに乗せて「お元気ですか?」から続く台詞まで完全に再現しています。 昨年末に歌った『雪にかいたLOVE LETTER』もそうでしたが、台詞をこなす時の少し照れたようなさやかちゃんの表情に、 ワタシの呼吸は止まってしまいます。
そして、『時の流れに身をまかせ』へ。 アジアの歌姫ことテレサ・テンさんが歌った純愛ソングですね。 「台湾から来て、(テレサ・テンさんにとっては)外国語で、あんなに感情を込めて歌えるなんて、すごいなぁ…と思います。」 と絶賛するさやかちゃんでしたが、負けず劣らずの聞き応えがありましたよ。
その後に披露された『手紙』は、ワタシにとって「まさに、直球ど真ん中、間違いなし!」なのです。 2008年の「ひろしまフラワーフェスティバル」で初めて聞いた時など、 あまりに悲し過ぎる詞の世界がさやかちゃんの澄んだ声によって引き立てられており、ワタシはボロ泣きした覚えがあります。 さやかちゃんは「どうして、楽しいお祭りでこのような悲しい曲を選んでしまったのか…」と苦笑していましたが、 聞き終えた後に悲壮感が残るようなことはありませんでした。
そして、バブル経済の絶頂期に数多く生まれた洋楽に日本語詞をつけた楽曲のひとつである『雨音はショパンの調べ』で、 第一幕のラストを締めくくります。
さて、しばしの休憩の後に第二幕。 初回からの通算で「第6の箱」は「演歌」が当たりました。 ヨーロー堂さんご自慢の富士山の絵と屋号入りの提灯を背に、日本人の心を歌い上げます。 久しぶりに披露された『一円玉の旅がらす』は言わずと知れた、さやかちゃんが3歳の時からの愛唱歌です。 どれほどの演歌少女だったのか?と思いきや、曲とともに流れていたアニメがお気に入りだったそうで…。 ナットクナットク。
その後の『おもいで酒』から『舟唄』までは、偶然にも曲名や歌詞に「酒」が強調されている楽曲でしたね。 MCでの「演歌というと『お酒』っていうイメージですが、今お届けした中の4曲に『お酒』が出てきました。」の言葉どおり、 盛り場演歌の代名詞的な楽曲が肩を並べています。
ワタシの世代ですと、「演歌」の五木ひろしさんと「ポップス」の松田聖子さんが共演するような音楽番組が珍しくなかったせいか、 特に歌手や楽曲のジャンルを意識・分類しないで聞いている傾向が強かったような気がします。 今日のライブでも、「演歌」の『北酒場』で「ポップス」の手拍子であるPPPHが沸き上がったりして、 他の歌い手さんのイベントでは絶対に実現しえない唯一無二の空間が展開されていました。
ひと通りの歌唱が終わると、突発の「番外編」が始まりました。 なんと、ゲストに山中孝真さんが登場したのです。 山中さんは鏡五郎さんのご子息で、ご自身も音楽活動に携わっているかたです。 さやかちゃん絡みでは、彼女が作詞した『青春は輝いて』の作曲を手掛けた…と言えば、わかりやすいかも知れません。 今日は、たまたま浅草を訪れたので、ヨーロー堂さんに立ち寄ったらしいです。 そんな山中さんに敬意を表して、さやかちゃんは『青春は輝いて』を歌いました。 いまだにCD化されていない「幻の楽曲」です。ぜひ、市販してほしいと思います!
今回の「箱ライブ」も各曲の成熟度など、目立たないながらも見どころが盛り沢山でした。 にもかかわらず、お客さんの数が少なめだったのが気にかかっています。 このような結果になった要因としてワタシなりに思うのは、ライブの告知方法でしょうか。 一般的な「店頭キャンペーン」とは一線を画するイベントでありながら、 お店では「店頭キャンペーン」と同様に「演歌定席」と銘打たれていました。 また、お店の常連さんと思しきお客さんに対して、 スタッフ氏が「この歌を歌っているコが、このあとに上(お店の2階)で歌いますよ。」とCDを提示しているのですから、 『淡雪なみだ』の「店頭キャンペーン」だと誤解を招く危険性も考えられます。 実際に、今日のライブでも「知らない曲ばかりなので、途中で帰りたくなった…。」という、いたって残念な声を耳にしましたっけ。
「箱ライブ」の趣旨を、さやかファン以外のお客さんにどうアピールすれば効果的なんでしょうか。 もちろん、趣味嗜好に合わないモノを無理に観覧する必要はありませんが、 少なくとも「期待外れ」や「裏切り」といった感情を抱かせてしまうのは、さやかちゃんのイメージダウンにもなりかねませんから…。 これは、次回の「箱ライブ」までの課題かもしれません。 ワタシも、日頃のバスタイムにでも知恵を絞ってみましょう…。