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【イベントリポート】

概要

名称:『神園さやかの箱(ボックス)ライブ Ver2.0』
日付:2010年03月14日(日)
時間:(第3の箱)13:00〜、(第4の箱)15:00〜
場所:ヨーロー堂 イベントホール(東京都台東区浅草)


「浅草の『♪びっくり箱、びっくり箱、おどろいた〜』(その3)」

2010/04/10
by K'z (S)

昨冬から始まった「何が飛び出すか、わからない。」のが楽しみな『箱ライヴ』。
試行錯誤を繰り返しながら、つごう3回目を迎えました。

当日は私用を済ませたために、出足が遅れぎみになりまして…。
浅草へ到着したのが開場30分ぐらい前で、昼ごはんを食べそびれました(泣。
店先には顔なじみの面々が集まっており、雑談に興じているのが見えましたが、
かつて同じ会場で行われたイベントに比べると、残念ながら客足が減っていたような…。

前回の『箱ライヴ』でも書いたとおり、商品の購入が前提になる形の店舗さんだし、
先月に引き続いてのイベントだから、普段よりも観客層が絞られるのも納得ではあります。
しかし、普段のキャンペーンでは見られないような緊張感とパフォーマンスが見られるから、
神園ちゃんに対して"濃い"ファンが集うであろうところで、この状況は悲しい限りです。

熊五郎さんの前説に続いて、神園ちゃんが登場した時にもライヴの慨説が入りました。
「皆さんの好きじゃないジャンルが出た場合、その間は苦痛になるかもしれませんが…。」
誰にでも音楽的な嗜好の違いはあると思うし、この感情はなかなか変わらないかもしれません。
しかし、正直なところでは、この言葉を神園ちゃん本人の口から聞きたくなかったなぁ…。

たとえ、熊五郎さんによる仕掛けや助け船があったにせよ、神園ちゃん本人にしてみれば、
観客のために腕によりをかけて、どのジャンルにしても楽曲を選んでくれたハズですよね?
だったら、好きな娘のイベントへ足を運んでいる僕らには、苦痛もヘッタクレもないような…。
今までの自分には未知のモノでも、そうそう好きな娘が選んだ物がイヤにはならないと思うし、
さらに本人の奥深さを味わえることにつながるのだから、ファンとしては好機だと思うんです。
だから、
「今まで知らなかったジャンルであっても、私が唄うことで興味を覚えるきっかけとなり、
 様々な名曲と親しむことで、皆さんが豊かな人生を送れるきっかけになれば嬉しいです。」
ぐらいの前向きな発言でもって、僕らに本編を期待させてほしかったですね。

というわけで、本編に入ります。
奇しくも、今回の一回"目"は「アイドル」。続いて、二回"目"も「アイドル」。
同じ"目"が連続で出た場合、前説では「予備の"目"と差し替え?」と言われていたけど、
熊五郎さんの一声で、そのままのジャンルで進めることになったのでした。
今回、こういう事態になって初めて判明した事実だったけれど、
ジャンルごとに2ステージ分のレパートリーを準備していたことに驚きました。
各ステージで唄う予定の曲数(6+2曲)を2回分、さらに全ジャンル(6+1項目)だもん…。
「神園ちゃんもなんだかんだ言って、やるときゃやってくれるじゃん!」ということで(嬉。

ちょうど季節柄もあって、冬から春の訪れを機に披露されたカバー曲たちが中心でした。
新しいカバー曲に限っても、清純を絵に描いたような『草原の輝き』『北風よ』。
ここがウデの見せどころ!とばかりに、シリアスに唄い上げてくれた『曼珠沙華』。
久しぶりに披露してくれた曲目についても、硬柔を兼ね備えた魅力を醸し出していました。
一発で意識をフッ飛ばすような選曲から、ボディーブローのようにジワジワ効いてくる曲まで、
この世代とジャンルの幅広さが「し、信じらんねぇ…。」ですわ。

それから、今年の神園ちゃんが地味に良くなったポイントとして注目していたM/CもGood!!
# オリジナル歌手が聞いたらシャレでは済まないような展開も、中にはあったけどね(爆。
興味深いM/Cも一体となって、魅力的な楽曲の良さを引き出していたのではないでしょうか。

色々と思うところはあったものの、久しぶりに「殺す気かっ!?」という感じでした(爆。
かつて、一部のファンには私の代名詞となっていた「撃ち抜かれて、穴だらけ」です(笑。
握手会における「一言、二言」でも、今回のコトをハッキリと伝えました…ハズなんです。
熊五郎さんは「春を迎えて、風通しが良くなったねぇ…」なんて冗談を飛ばしていたものの、
神園ちゃんと揃って、なんだか乗り気じゃなかったような気がするんですよ…。
かつての「してやったり!」な笑顔も見られなかったし、一抹の寂しさを感じた次第です。

楽しさの余韻に浸りつつ…ではありながら、ちょっと複雑な心境になっていました。
浅草で晩御飯を食べてから、地元では某氏と飲み、さらに自宅でも一杯ひっかけつつ…。

昨今、「何が飛び出すか、わからない。」というワクワク感を強く残しているイベントが、
この『箱ライヴ』だと思っていましたが、全体的には評判が芳しくないのは残念でなりません。
次に参加する機会があるならば、さらなる相互関係の向上を期待したいと思っております。

追伸
初回(パイロット版)から思っていたこと。
「本人は良かったんだけど、ね…。」
前回の幕間アンケートで書いたことは、今回も変わりませんでした。


「さらに深く、上質に。永遠の可能性が詰まった宝石箱。」

2010/04/08
by K'z (N)

昨年の11月に突如企画された「神園さやかの箱(ボックス)ライブ 」なるイベント。 歌う曲目をその場で決定するという、観客にとってもさやかちゃんにとっても、実にミステリアスかつスリリングなライブなのです。 ライブハウスやクラブといったクローズな空間を"ハコ"と呼ぶことから、 単なる屋内イベントである印象を受けがちなイベント名ですが、察するところ、真の狙いは別のところにありそうです。

ここだけの話、従来のさやかちゃんのイベントにおいて、「歌唱は申し分ないながらも、MCに物足りなさを覚える」ことがありました。 特に、突発のハプニングで場を繋がなくてはならない状況などへの対応が脆弱であるように感じます。 そういった場面をフレキシブルに乗り越える術を体得するには、今回のような場当たり的(?)な展開のイベントは、 実に有効な手段ではないでしょうか。

今回で実質3回目を数える箱ライブ、現場はこれまでと同じく浅草のヨーロー堂さんです。 いつものように2階イベントホールに入って、開演を待つことにしましょう。

さあさあ、通常のライブであれば1曲目のイントロとともにステージにお出ましのさやかちゃんですが、 「箱ライブ」では静寂の中から登場です。 ホール内の空気が、ピンと張り詰めているのがわかります。 ご挨拶もそこそこに、今日の1ステージ目、「第3の箱」のお題を決めるべくサイコロを振ります。 サイコロの目は「アイドル」と出ました。 さらに、8曲用意した中から非歌唱の2曲を抽出して、いよいよライブがスタートです。

1曲目は、中森明菜さんの『スローモーション』。 昨年、「ミュージックデリバリーDX」の生ライブでも歌いましたね。

そして、続くは『北風よ』。 岸本加代子さんが1977年にリリースし、のちに武田久美子さんや国実百合さん、 さらには作詞・作曲を手掛けた荒木一郎さんまでもがカバーした楽曲です。 面白いのは、岸本加代子さんと国実百合さんが「私は今16と伝えて」と歌った歌詞を、 荒木一郎さんは「私は今18と伝えて」と歌い、武田久美子さんは「私は今しあわせと伝えて」と歌っている点でしょう。 はたして、さやかちゃんはどのパターンを採るか?と思ったら、「私は今23と伝えて」とリアルな彼女自身を表現してきました。 ほんの小さな点ですが、「ただ、カバー曲を歌っているだけではありません。」という自信が滲み出ています。

その後は、久しぶりに披露された『時をかける少女』です。 説明するまでもなく、原田知世さん主演の同名映画の主題歌ですね。 「今日から…、いや昨日から…?リメイクされた映画が公開されているので、ぜひ私も観てみたいと思います。」 と楽曲にまつわる四方山話なMCも万全でした。 しかも、「原田知世さんが主演されたこの映画は『尾道3部作』と呼ばれる作品群のひとつで…。」 と、コアなネタまで持ち出したほどです。

最後を『Sweet Memories.』で締めくくり、「第3の箱」は終演です…。 えっ?もう終わりなの? そんな常連ファンの表情をよそに、いつも通りのサイン会&ツーショット撮影会に進みました。

すべてが終了した後でマイクを取ったのは、なぜか苦笑いのヨーロー堂さんの若旦那氏。 「皆さん、スミマセン。実は、1曲忘れてました。」 確かに、6曲歌うはずが、まだ5曲しか歌っていませんでしたね…。 若旦那氏にとっても、こんなに緊張するイベントは初めてなのだそうです。 そうか〜!だから、先程のエンディングでお客さんの拍手がぎこちなかったのね。 はい、忘れられていた『くるみ割り人形』を歌って、今度こそ「第3の箱」の終演です。

でもって、しばしのインターバルの後、「第4の箱」の始まりです。 「第3の箱」と同じく、サイコロを振って歌唱曲のジャンルを決定しますが、なんとまたまた「アイドル」でした。

1曲目は「ミュージックデリバリーDX」で録音版が披露された『草原の輝き』、生歌唱での初お披露目です。 そして、お次は『曼珠沙華』。 山口百恵さんのB面曲ですよ。 「第3の箱」とは異なる年代の楽曲をセレクトしているので、同じジャンルでありながら全く飽きずにライブを楽しむことができました。

そういえば、『赤い風船』のMCでのこと。 さやかちゃんにとって浅田美代子さんというと、「ご本人よりも、モノマネのほうが印象に残っているんです。」だそうです。 「この歌は、誰が歌っても浅田美代子さんより上手く歌える…。いや、浅田さんが下手だっていうワケではないですよ。」 「岸本加代子さんもそうですが…。この時代の歌手のかたは、いろいろと個性的なかたがいらっしゃいまして…。」 思わず、毒舌も飛び出しちゃいました。

「神園さやかの箱ライブ」の"箱"とは、知名度の向上やCDの販促という対外的な効果を得る場所のみならず、 さやかちゃんが自分自身を見つめてブラッシュアップできる現場という意味合いではないか?と思えるのです。 実際、最近はさやかちゃんがMCで語る内容の幅が徐々に拡がってきている気がします。 前述したように、「箱ライブ」の成果なのかも知れません。

今後も月イチくらいの頻度で催されるそうなので、今まで以上に浅草が身近な街になりそうです。 早くも、次回に期待しちゃいますよ。


曲目

【(第3の箱)13:00〜】
  1. スローモーション
  2. 北風よ
  3. さらばシベリア鉄道
  4. 時をかける少女
  5. Sweet Memories.
  6. くるみ割り人形
【(第4の箱)15:00〜】
  1. 草原の輝き
  2. 曼珠沙華
  3. HOW! ワンダフル
  4. 赤い風船
  5. ミカンが実る頃
  6. 春なのに

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