since 2009/06/01


【イベントリポート】

概要

名称:『新曲発売キャンペーン』 in 八千代緑ヶ丘
日付:2009年10月10日(土)
時間:15:00〜
場所:イオン八千代緑ヶ丘ショッピングセンター・2Fアゼリア広場


「千代に、八千代に!?神園ちゃん。」

2009/12/12
by K'z (S)

前月に引き続き、関東地方に「新曲発売キャンペーン」がやってきました。
それも、久しぶりの千葉県、初めての会場で行われるキャンペーンです。
現地までの道のりや会場の施設、ご当地の観客といった独特の雰囲気も一興ですし、
地方遠征までとはいかなくても、ちょっとした旅気分が味わえますからね(微笑。

さらに、この日は神園ちゃんがステージに立つ前に(12:00〜)、
日本クラウンの後輩格・長谷川真吾の「新曲発売キャンペーン」も行われるとのこと。
時間の違いこそあれど、同じ日・同じ会場・同形態のイベントということで、
ステージ上の本人の動きから、客席の反応や即売の盛況ぶりといったところまで、
比較対象として見ることができそうな状況を楽しみにしていたのです。
先攻・後攻、格上・格下、前座・本編、双方の位置づけや捉え方は異なりますが、
神園ちゃんと長谷川さんのステージ、個人的には併催→競演?という視点で臨んでいました。

イベント当日、各路線を乗り継いで会場となるイオンさんへ到着したのは11:30ごろ。
開演には間に合わないだろう…と思い、この時間での昼食は我慢することにしました。
ステージ前では、既にスタッフさん(実はレコード会社の偉い人)の前説が始まっています。
以前、神園ちゃんのキャンペーンでも活躍された方でして、ちょっとお久しぶりで嬉しい感じ。
温厚で丁重ながら、独特のユーモアを交えた調子でCDや購入特典をお勧めするところとか、
1st.アルバムの名前を『18歳"の"旅立ち』と微妙に間違えるところとか、印象に残っています。

どちらかと言えば、長谷川さんは独自の華やかなダンスを合わせた歌謡曲の路線なんですが、
「カラオケで唄ってもらうことや、有線でリクエストをかけてもらうことがヒットにつながります。
 さらに『紅白歌合戦』への出場にもつながるので、みなさんの応援をよろしくお願いします。」
という調子で宣伝されるものだから、やっぱり演歌になってしまうんですね(微苦笑。

でもって、長谷川さんのステージは微妙な雰囲気と複雑な心境の中で終了となりました。
別のショッピングモールで定期的にイベントを行っていることによる馴れが生じていたのか、
とにかく、主題となる選曲といい、本人による進行といい、即売会の企画といい、
このイベントにおける趣旨と観客層を読みそこなったものと判断せざるを得ない状態でした。
# いらぬ心配だが、良い環境と良い観衆の中でステージを踏めていないのかなぁ…と感じましたし、
# 歌唱における師匠はともかく、それ以外の場面で物を言う人がいないのかなぁ…とも思いました。

でもって、幕間の一段落。
サブウェイのサンドイッチとコーヒーで昼食を摂り、しばらく店内を散策してみました。
そろそろ開演が近づいてきたかな?という頃に戻ると、既におなじみの面々が揃っています。
それ以上に「おぉ…」と思ったのは、常連と思しき面々以外の観客の集まり具合でした。
昼前と昼後の違いはあるかもしれないけど、同じ会場なのに明らかに観客の入りが違うんです。
"老若男女"の構成で言えば、客席の前方には昼前から引き続いて"老"の男女が多かったけど、
客席の後ろやステージの側面には"若"の男女、それも親子連れの姿が多く見受けられました。

でもって、同じスタッフさんによる前説。
紹介する歌手さんとそのプロフィールを除いては、ほぼ同様だったと思うので省略(ぉ。
# おいちゃんが得意なフレーズだけど、人が変わっても同じ宣伝文句で通用するのが(微苦笑。
# 裏を返せば、売り手サイドが各々の歌手さんをよく知らない?という状況もありうるし、
# ひいては「演歌・歌謡曲」というジャンルにおける限界も垣間見えてしまうのですが…。

いよいよ、お待ちかねの神園ちゃん。
新譜の片面『ひこうき雲』は、ゆったりとした曲調と比較的に明るい希望の見える詞情。
休日の午後、穏やかな会場とイベントにマッチしていたのかもしれません。
こんな時に僕らができるのは賞賛の拍手を贈るのみ、あえて出張る必要もないと思いました。

# 狭義の「応援」において、以前は神園ちゃんのファン周りでも一部に見受けられた光景として、
# 「自分がステージ上からの注目を浴びること」を目的としている者の存在が痛々しかったです。
# そんな無理をしなくても、意外と神園ちゃんは目ぼしいファン連中の細かい動きを見ているし、
# 私の理想は「客席の調和とステージとの相乗を機にイベントを盛り立てること」にあるから、
# 多くの観客の中で目立たなくてもいいし、時には自分の存在が見えなくてもいいと思うのです。
# むやみに他者の行動を否定したり、自分の理想や行動を他者に強要することはしませんが、
# 各「応援団」に限らず、足しげくイベントに通うファンの矜持として忘れたくないところですね…。

最初のM/Cは、前説にあったプロフィールを絡めての自己紹介から始まりました。
千葉県でのキャンペーンは久しぶりで、八千代緑が丘では初めてのイベントながらも、
「貸切鉄道ライヴ(第一弾)」や『淡雪なみだ』のPV撮影でいすみ鉄道を使ったことから、
最近のご当地とのつながりぶりを披露していました。
そういえば、モール内のレストランでお昼をいただいた話もしていたっけか(微笑。
食い道楽のお茶目さんぶりを語るも、ちゃっかり店舗さんの宣伝になっていたんだよな…。
とにかく、比較的にゆっくりとした口調で、おしゃまな優等生ぶりを発揮していたのが好印象。
今回については神園ちゃんのM/Cが落ち着いており、安心して話を聞くことができました。

# 時として、近年の「駅前ライヴ」や「新曲キャンペーン」で見られる傾向なのですが、
# 「言いたいことを言って、唄いたい歌を唄って、時間が経ったら、ハイおしまい。」
# といった感じで、全体的なイベント進行がセカセカと急ぎ足になってしまうときがあります。
# そんな時の兆候としては、歌唱の出来栄えよりもトークの口調やテンポに表れていると思います。
# 観客が歌を聴いた後で余韻を感じる、観客が話を聞いた後で噛んで含む、という間合いがないんです。
# その状態は、密度が濃いと言うよりはビッシリ詰まって余裕がないと言うべきものであり、
# 終わった後の感想も、余韻に浸ると言うよりは空しい風が吹くと言う方が妥当かもしれません。
# 観客の反応とは正直なもので、そんなときは即売会における行列も芳しくなかったりするのです。
# こんな時、ファン連中の一員である私も何とかしたいと思うのに、何もできないのがもどかしい…。

この後もアルバム収録のカバー曲を絡めながら、硬柔と緩急をつけた選曲も悪くなかったと思います。
歌手としての自分のキャラクターを主張しながらも、売り物である自身の作品群とのバランスが見事♪
曲数から想像するに、「イベントも、そろそろ終わりだなぁ…」と思った頃。
ちょこまかと音響スタッフに示し合わせるかのような場面があったので、
「せっかくここまで良かったのに、また選曲とオケのトラブルか…。」と思いきや。
ふと、神園ちゃんが間をつなぐためのトークを始めました。
「今日は親子連れの方が多いので、当初の予定にはなかった曲をお贈りします。」
ということで、特別に披露されたのが『崖の上のポニョ』。
最初から親御さんとステージの脇にいた子供は跳ねる、手拍子を打つ、一緒に唄う。
さらに、楽しい歌が唄われているのを耳にした別の親御さん達も足を止める。
というわけで、ラス前にして観客が増えることになったのであります。
神園ちゃんによる「歌のおねえさん」っぽい所作もさることながら、客席周りの反応も非常に良く、
今回のイベントにおけるクライマックスは、間違いなくここだったと思います。

もちろん、本来のオーラスである『淡雪なみだ』も怠りなく披露されました。
その後、ステージ脇で行われた即売会は大盛況!!
同じ行列に並んでいた私も後ろを振り返って、いつまでも行列が続いていたのには驚きましたねぇ…。
ご当地で本人の顔を名前を売る「新曲発売キャンペーン」も成功だったのでは?と嬉しくなりました。

このステージが終わってから、私はとあるイベントに想いを馳せていました。
それは2008年11月、大黒美和子(元・大黒裕貴)さんを招いて行われた『お友達ライヴ Vol.1』です。
仕事の都合で後半からの参戦になりましたが、とにかく‥‥だったことを強く覚えています。
ツレの話も総合すると、前半に登場した大黒さんが引き締まったステージを務めたのに対して、
披露された曲目の出来はともかく、神園ちゃんは客席のヲタをいぢることでウケを狙いまくり、
M/Cと呼ばれるステージ進行らしきものが見られなかったのは、ファンとして情けなかったです。
ひたすら本人が浮ついており、観客はついていけない…というより動きようがありませんでした。
とにかく、近年では類を見ないほどに大失敗の一幕だった…と言っても過言じゃないと思います。

厳密な「競演」ではありませんが、「共演」を行う前の個別ステージを競い合う場面と考えると…。
今までのステージにおいて、神園ちゃんは年齢もキャリアも共演者より格下であることが多く、
挑戦者スピリッツに富んだ奇策や変化で攻めるステージ進行により、高評価を収めたと聞きます。
こういう戦術を用いる場面では、軍師たる熊五郎さんの面目躍如たるところがあったでしょう。
# 当時はファン連中も少数精鋭が揃っており、各々の得意分野で動きやすかったような気がします。

しかし、かつての先輩格であったとしても、あのイベントでは大黒さんの方が従たる立場であり、
まぎれもなくイベントの冠は神園ちゃんであり、主演を務めるべき格上の立場にもかかわらず、
共演者からの挑戦とも言うべき状態、それも真っ向から正攻法でぶつかってきたものに対して、
彼女はその挑戦を受けて立つことができなかったばかりか、攻撃的に運んだかのように見せて、
実際には逃げの態勢で臨み、結果として足元をすくわれるような形になってしまったのです…。

ところが、今回のイベントで二幕を合わせて観た時の成否は大きく異なっていました。
格下の相手が強引かつ無謀な変化をぶつけたことで、大いに荒れてしまった環境でもひるまずに、
本来の持ち味である正攻法でぶつかりつつも、捻りを効かせる得意技で勝利を得たと思います。
かつての忌まわしき事例と似た状況にありながら、真逆の対応で成功を収めたことが感慨深く、
他者との比較による結果ですが、久しぶりに「神園ちゃんが良かった…」と感じるイベントでした。


追伸
長谷川さんのイベントについて、もう少し書きとめてみました。
詳しくは、【フリートーク】の『付記(2009/10/10)』をご参照ください。


曲目

  1. ひこうき雲
  2. 木綿のハンカチーフ
  3. 野に咲く花のように
  4. ハロー・グッバイ
  5. なごり雪
  6. 崖の上のポニョ
  7. 淡雪なみだ

【イベントリポート(2009年)】へもどる