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【イベントリポート】

概要

名称:『たいらおさむのラジオで1曲』 in 大阪
日付:2009年09月22日(火)
時間:20:00〜20:30、22:00〜
場所:多恋人(大阪府中央区東心斎橋)


「有害電波発信準備、計画性あり、事件性なし。」

2009/11/07
by K'z (N)

現在ワタシがいるのは、大阪は東心斎橋にある多恋人さん。時計の針は、午後10時を回っています。 すっかり宵の頃を過ぎ、街を流すタクシーも深夜割増運賃が適用される時間帯です。 そんな良い子は寝る時間だというのに、今夜はもうひとつ目がさめるような企画があるのでした。

和歌山放送の人気ラジオ番組『たいらおさむのラジオで1曲』の収録が、今回は多恋人さんで行われます。 番組の中に、一般リスナーがカラオケで唄った歌をそのまま公共の電波に乗せてしまうという 大胆かつ無謀な「玄人はだし」というコーナーがあり、ここに神園さやかファンがこぞって参加という訳です。

番組のメインパーソナリティであるたいらおさむさんと共に、ゲストのさやかちゃんが番組の進行を務めます。 プロの歌手を目の前に歌を唄うなんて、下手をすると気持ちが萎縮しそうですが、 そこはたいらさんが持ち前の毒舌と下ネタでフォローしてくれるので、まったく問題はありません。 今までにワタシは何度かこのコーナーに参加しましたが、回を重ねるごとに歌唱前の緊張感が心地よく感じてきています。

ちなみに、この番組に参加するには事前の申し込みが必要で、さらに歌唱曲の音源を用意しなくてはなりません。 かつて、オムニバス形式で10曲程度を収録したミュージックテープなどが売られていたのですが、 最近ではカラオケのみの音源って、見かけなくなっちゃいましたよね。 事実上、新譜以外の楽曲を歌うことが不可能となり、おのずとレパートリーが限られてしまう難点がありました。 以前、和歌山放送のスタジオで収録した時も、音源探しにとても難儀した覚えがあります。

今回はカラオケ設備が整っている場所での収録のため、この負担が無用だったからでしょうか。 一般の方を含めて、結構な数の参加者がいます。 まあ、その大多数がさやかファンで、明らかに「電波ジャック」にも等しい状況ですけど。 ファン仲間の中には思いのほか歌の上手い者がいたり、 ネタなのか実力なのかわからないほど個性的な歌唱を披露する者がいたりと、 自分の出番まで退屈しないでいられます。 たいらさんの鋭くもハートフルなツッコミや、彼の下ネタをサラッとかわすさやかちゃんのトークが、 楽しさを倍増させているのは言うまでもありません。

さあ、いよいよ出番です。 今回ワタシが選んだのは、石原裕次郎さんの『思い出さがし』。 昔の恋人との偶然の再会を描いた五輪真弓さんによる作品で、後に五輪さん自身もアルバム内でカバーした楽曲です。 番組の性格上、あまり気負わずにステージへ向かいまして、なるべく歌唱のことは考えずに唄い終えました。

「えらいマジメに歌いまんな〜」と、たいらさんの第一声。 いやいや、そう思っていただければ光栄ですよ。 この曲はワタシのお気に入りの1曲で、特に歌詞に共感しちゃうんですよね。 「偶然再会した二人はひとときを共にしながらも、互いに分かち合えるのは思い出だけ」なんて、切ないことこの上なし。 つまり、「ふたりで新しく思い出を重ねることはできない」ことがわかっているっていうことなのでしょう。 感情を込めて歌おうと歌詞を噛みしめようものなら、マイクを片手に涙腺大決壊は必至です。

「今日は、埼玉から来なはった…。××タマから…。」 おおっ、ご自慢の下ネタが出ましたね。こうでなくっちゃ! 「バスで来たんか?バス…、ブス…、どうでもええわ。」 時間がおしているにもかかわらず、たいらさん、パワー全開で突っ走ります。

休み時間の男子中学生の会話のごときお下品さで、収録は進みました。 ゲストコーナーの収録もあり、すべてが終了したのは午前2時近くでした。 帰路の交通機関に時間的制約がある参加者を優先させたので、残ったのは関東からの遠征組のみ。 仲間から「街でラーメンでも…」と話が出ましたが、みんな長旅の疲れで疲労困憊につき即刻却下。 敢えなく、それぞれの寝床に散って行きました。 ワタシも、地下鉄の2駅分を歩いてホテルに帰ります。

数週間のうちに、和歌山放送で有害?電波が発信されることでしょう。 そして、ラジオ番組で歌を唄ったことを忘れかけた頃、放送の内容が「素敵なCD」になって郵送されるのです。 「『旅の恥はかき捨て』などと言わせないぜ」と言わんばかりの、心憎い参加者サービスですな。 思い出と一緒に、永久に解かれることのない封印されるCDがまた1枚増えます…。


曲目

  1. 思い出さがし

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