since 2009/06/01


【イベントリポート】

概要

名称:『神園さやかライブ』 in 心斎橋・多恋人
日付:2009年06月20日(土)
時間:20:00〜
場所:多恋人(大阪府中央区東心斎橋)


「恋多き人…ネオンの街に響け、清か歌声」

2009/06/28
by K'z (N)

「さやかファンが5人以上集まったら丸坊主になる」

マネージャーのクマゴロウ氏から、こんな宣戦布告とも取れるアナウンスがされたのは先月のことでした。 その正体は、前日に急遽催行が決定したというゲリラ的ライブ。 平日なので集客は見込めないだろうと思われましたが、恐ろしいことに参戦した神園さやかファンが3人もいたそうです。 とりあえず、クマゴロウ氏の頭髪は救われたということで…。 そんなエポックメイキングな現場となったのが、大阪は東心斎橋の演歌ライブのお店「多恋人」さんで、 今夜再び、さやかちゃんのライブが催されます。

駅前ライブの終演後、寝屋川から京阪電車と地下鉄を乗り継いで東心斎橋へ。 その繁華街の雑居ビルの3階に「多恋人」さんはありました。 "恋多き人"と書いて「たれんと」と読ませるところも、夜の世界、大人の世界の雰囲気たっぷりです。

お店の扉を開くと、迎えてくれたのはマスターの幸田和也さん。 あの中村美律子さんの下で修行を重ねて昨年デビューした本職の歌い手さんです。 このようなお店ですから、常連のお客さんも間違いなく耳が肥えていると思われます。 果たして、どんなライブになるのでしょうか。

さて、優雅な夜を演出するかのようにドレスに身を包むさやかちゃん、オープニングは『初めてのひと』です。 なぜか音源はお店のカラオケ。 モニターには本人映像が映し出されています。 そ、そういう演出だったのか…。 もうこれだけでご飯バケツ3杯は確実です。

さらに『さすらい鴎』も本人映像を交えて歌いました。 余談ですが、日本クラウン系列のカラオケ・DAMに収録されている『さすらい鴎』は本人映像じゃないんですよね…。 見たいひとはUGAへ急げ〜! そうそう、『初めてのひと』ではお馴染みの「ひまわりと都電」編とは異なるバージョンだったのが新鮮でしたね。

ステージに立つさやかちゃんと映像の中のさやかちゃんを見比べることしばし…。 今でも見た目は中学生などと揶揄されているものの、確実に女性らしさが増しています。 実際に時折見せる眼差しにヤラレることもしばしばですから。

そんなコアな楽しみ方をしているうちに、ライブは進みます。 この日は『おかあさん』『いい日旅立ち』といった「聞かせる」楽曲が主体でした。 うまく表現できないのですが、こういったタイプの楽曲はテンポやメロディに依存し難いというのでしょうか、 勢いで押し通すことが苦手な楽曲である気がします。 つまり、歌唱力の優劣がダイレクトに露呈してしまうワナが潜んでいるのではないかと。

もちろん、プロである神園さやかはワナにはまることもなく、堂々と歌いあげました。 中でも、久しぶりに披露された『折鶴』は出色のクオリティだったと思います。 こういうところがビシッと決まると、彼女の魅力が何倍にも増幅するんですよね。 やっぱりこうでなくちゃ。 もう満足です。 ご飯タライ3杯いけそうです。

満ち足りた気分に浸ったまま、ライブは終盤に近づきます。 ラストは恒例『テネシーワルツ』で締めくくりです。 失恋を題材にした名曲中の名曲ですが、特にサビ部分を大きく盛り上げるのはさやかちゃん独自の手法で、 その素晴らしさは最上級に間違いありません。 日本語詞バージョンを歌う多くの歌い手さんが「堪えながらも頬をつたう涙」を表現しているとするならば、 さやかちゃんは「悲しみのあまり号泣」を表現しているかのようです。 数十年の時を越えて歌い継がれている『テネシーワルツ』、 悲しい時に大泣きすることが不徳ではない現代の女性とは等身大のさやかちゃんの世代なのかも知れません。

盛大な拍手、そして一般のお客さんらしき一団からアンコールを求める声が上がります。 これはまったく予期していなかったらしく、お客さんに選曲をお願いすることになりました。

チョイスされたのは…。 『哀愁航路』。 アンコール曲としてはシブすぎると思いましたが、 ひとつのステージで彼女のオリジナル曲がセミコンプで味わえるとあればノープロブレムです。

すべての曲目が終了した後、幸田和也さんがステージに登場しました。 「ここで少し時間をお借りしまして私の『和創人』という曲をお聞きいただきたいのですが、よろしいでしょうか?」 もちろん大歓迎です。 せっかく歌い手さんが開くお店に来たのですから、聞かずに退店するテはありませんな。

この間に、ちょっと嬉しいエピソードがありました。 幸田さんからさやかちゃんにマイクを預ける際の一言。 「それでは神園さん、お願いします。」 何気ない言葉ですが、初めて聞きました。 多くの場合、「さやかちゃん、お願いします。」ですもの。 小さなことですが、さやかちゃんに敬意を表していただけたのが嬉しくて、幸田さんへの好感度2割増です。

その後もファン仲間とカラオケ&談笑に興じ、最終電車でホテルに帰ることになってしまいました。

明日は名古屋で駅前ライブです。 遅刻しないように気をつけないと…。 じゃ、おやすみなさ〜い。


曲目

  1. 初めてのひと
  2. おかあさん
  3. さすらい鴎
  4. 港町十三番地
  5. 折鶴
  6. あしずり岬
  7. いい日旅立ち
  8. 約束
  9. テネシーワルツ
  10. 哀愁航路(アンコール)

【イベントリポート(2009年)】へもどる